【河川全般】
「河川の管理と空間利用 川はだれのものか、どうつき合うか」(吉川勝秀著・鹿島出版会)
『地方分権化の時代の河川管理
行政権限の地方分権、地方への移管の時代において、都道府県や基礎自治体が、いかに志高く、水害に対応するとともに魅力的な河川空間の保全と整備や利用を進めるかが課題である。そのための知識と経験、さらには志を地方行政の行政職員が学ぶ必要がある。
特に、これまでは河川管理は国(現・国土交通省)や都道府県の担当部局の仕事であるとして、基礎自治体には河川対応部局がないのが普通である。しかし、恵庭市の事例で述べたように、環境の管理、都市や地域の空間としての河川整備や利用、管理は、基礎自治体が主体的に、都道府県や国の参画を得て行うことが重要である。
このような視点で、基礎自治体の河川管理や利用への対応を進めることが課題であり、ブレークスルーすべきことであるといえる。それができると、これまでになく、より魅力的な河川の保全や整備・利用が進む可能性がある。
それを支える仕組みとして、例えば、基礎自治体での対応部局の設立(水と緑の課、河川課、水辺再生推進室、○○川振興室など)と人材の配置ができるとよい。学識経験者や市民団体などの非常勤の人のサポート、学識者や市民の参画なども検討されてよいだろう。また、かつて国(建設省当時)の河川管理において、地域の大学の教員にリバー・カウンセラーを委嘱したことがあるが、そのような仕組みも検討されてよいであろう。
基礎自治体や都道府県の行政職員が、河川管理について自律的に学ぶ教材(この教材が極めて乏しい。河川堤防学、河川管理などについての教材は皆無に近い)も必要である。また、ヨーロッパで試験的に行われている都市と河川にかかわる担当者の学習の機会の設定(EUの支援プロジェクト。国を超えての学習の場)のように、基礎自治体の行政マンの交流・学習の場を設けることも検討されてよいであろう。』(p167-168)
【神通川関係】
水田恒樹氏:「河川の活動と都市の形成が相互に与えた影響に関する史的研究」(法政大学学位論文)
水田恒樹氏:近世・近代における富山藩領の土地利用と治水に関する研究
【滝廉太郎関係】