【柿田川】
静岡県・清水町(富士山麓)
湧水だけでできた川

富山県内には湧水がたくさんあります。立山の玉殿の湧水、黒部川扇状地の湧水群、穴の谷の霊水、いたち川の延命地蔵…。その他にも、県内各地にありますよね。
さて、今回ご紹介する柿田川(静岡県清水町)は、富士山に降った雨や雪が長い年月を経て地下水となり、その湧き水だけでできた珍しい川です。(湧水量は1日に約100万トン!柿田川湧水群の水は、静岡県東部約35万人の飲料水ともなっています。)そのため、汚れの程度を示すBOD値は概ね1mg/l以下で、水道水の種別では1級にあたるきれいさ。川の長さがわずか1.2kmと短いのも特徴で、日本最短の一級河川とのこと。川は、狩野川と合流した後、駿河湾に注いでいます。場所は、国道1号線のすぐわきで、公園も整備され、まさに「都会のオアシス」となっています。
流域はケヤキ、エノキ、ヤブニッケイ、ヤブツバキ、シイ等温帯性広葉樹林に囲まれ、ホタル、トンボ、チョウ、アブラハヤ、アユ、セリ、トウカイタンポポなど田園地帯から消えつつある動植物が多数見られるそうです。
美しい水と多種多様な植物や小動物に囲まれた心癒されるスポットです。

月刊グッドラックとやま 2003年9月号で掲載