【ブルージュ】

ブルージュはベルギーの首都・ブリュッセルの西約100km、西フラーンデレン州の州都。
美しい運河が市の周辺ばかりでなく、市内も縦横に通っている。運河には50以上の橋がかけられているという。このため、「北のベニス」とも称される。15世紀から時が止まっており、その後二つの大戦の戦火も奇跡的に逃れ、町全体が中世フランドルの生きた博物館というかおとぎの国のようになっている。(ブルージュは「橋」という意味)

海岸部ではなく、ちょっと入った(何キロかは現時点で調べてません)内陸部にある都市だが、11世紀に北海と運河で直接結ばれたため、13世紀をピークに、フランドル〜北ヨーロッパを代表する国際貿易都市として繁栄の極致を迎えた。
13世紀以降、外国の商人たちが、商品を売るためにブルージュを訪れるのが習わしとなり、同時に彼等は、当時世に名高いフランドルの布地(ボビンレースなど?)を購入した。この結果、地方の職人は繁栄し、ギルドを形成。14世紀は外国人や芸術家達もブルージュの富に魅了され、15世紀になるとブルゴーニュ候家の支配下となり、芸術や商工取引などに非常に豪勢な富をもたらし、ブルージュの黄金時代となる。が、15世紀末に(スペイン軍に支配され?)ブルゴーニュ候家の時代は終わる。支流のズインも砂で埋ってしまい海上交通をとざされてしまう。そのころ、同じベルギーのアントワープ(アントウェルペン)が台頭してきており、取引の中心はそちらに移っていった。それでも、銀器などの贅沢品や芸術産業の中心であり続けたという。

その後、歴史の舞台から取り残されたブルージュは、中世が封印された廃墟に近い街になっていた。実際に旧市街地は空家だらけになり建物は軒並み幽霊屋敷のようになっていたらしい。しかし、この「死都」に惹かれた世紀末の作家ローデンバッハ(ク?)の「死都ブルージュ」と画家クノップフの作品をきっかけに、中世のテーマパークとして復活し、今に至っている。
ブルージュの中心、マルクト広場の東側にはネオ・ゴシック様式の州政府庁舎、中央郵便局が並び、南側にはブルージュのシンボルの鐘楼が建つ。13世紀の建築で高さ80m、366段のらせん階段で最上階に登ると、ブルージュの市街とフランドルの平原がパノラマとなって広がる。また、この鐘楼には世界的に有名な47個の組鐘(カリヨン)があって、15分おきに美しい音色を昔と変わらずに響きわたらせている。

なお、松田聖子の1982年のアルバム「キャンディ」の中に、「ブルージュの鐘(詞・松本隆、曲・細野晴臣)」という曲が含まれている。

運河沿いの可愛いらしいホテル 向こう岸は旧い教会ね
朝食には蜜のついたワッフル 一人なのよ 春のバケーション
Happiness 束の間の自由な時間 (中略)
きれいな鐘の音 Ding Dong Ding Dong 石だたみの道
運河の小舟も Ding Dong Ding Dong ゆるやかに流れてゆくわ 心のフォトグラフ映して
いつか雑誌(ほん)のグラビアで見てから 憧れてた 旧い町並みよ
中世から動かない銅像 馬車に乗って 町をめぐるのよ
Happiness 束の間の自由な時間

※各所にいろんなホームページからの表現の引用があります。